母乳育児は胸の形に影響するの?母乳のメリットとデメリット
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母乳育児は胸の形に影響するの?母乳のメリットとデメリット

母乳育児をしたいと思っても「胸の形が変わるのでは?」「育児用ミルクでも良いのでは?」と母乳をあげることに意欲が湧かないママもいるでしょう。

確かに、子育て経験のあるママからは「胸の形が崩れた」「胸が小さくなった」という声を聞きます。

しかし、栄養や免疫、心理面などを考えると母乳には多くのメリットがあり、赤ちゃんとママの絆を強くするパワーがあります。

そのような母乳の効果に注目しながら、女性の胸の仕組み、胸の形崩れをカバーするポイントを紹介します。

母乳育児で胸の形が変わるの?

母乳育児で胸の形が変わるの?
「妊娠中大きかった胸が、卒乳後にしぼんだ」
「産後、胸の形が変わった」
「授乳すると、胸に左右差が出る」

子育て経験のあるママからこういった話を聞くと、母乳育児をやめたいと考える人もいるでしょう。しかし、母乳育児がスムーズに進めば、今後の子育てがより楽しいものになります。

まずは母乳についての知識についてご紹介します。

女性の胸は母乳の生産工場

女性の胸は母乳の生産工場
女性の胸は母乳の生産工場のような仕組みで、妊娠すると同時にその基礎がつくられます。

妊娠4ヵ月程度になると胎盤ができ、この胎盤から「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンが分泌されます。この2種類のホルモンには乳腺を発達させる働きがあり、産後に母乳が出るように準備をします。

その後、赤ちゃんが生まれると胎盤が外に出て、エストロゲンとプロゲステロンは急激に減少します。そして、これらのホルモンと入れ替わるように「プロラクチン」が脳から分泌されるのです。

プロラクチンとは?
母乳の分泌を促すホルモンです。このプロラクチンの働きから、赤ちゃんが乳頭や乳輪に吸いつくたび、その刺激が脳へ伝わり、母乳が分泌できるようになるのです。

また、女性の胸の中にある乳腺組織は、「腺房」と「乳管」からできていて、腺房は母乳をつくる細胞が集まる袋で、乳管は母乳を外へ出すための管となっています。

母乳育児のメリットとデメリット

母乳育児のメリットとデメリット
ママによっては母乳育児が負担になる場合があるのに、どうして母乳育児が良いと勧められるのでしょうか?

母乳育児にどんなメリットがあるのか?反対にデメリットはないのか?

赤ちゃんとママ両方の視点から考えていきましょう。

母乳のメリット①赤ちゃんが病気にかかりにくくなる

生まれたばかりの赤ちゃんは免疫システムが未熟で、外からの刺激に弱いものです。そのため、生きていくには十分な栄養と病気から守ってくれる何らかの成分が必要になります。

それらをカバーするのが母乳です。母乳を飲んでいると赤ちゃんは病気にかかりにくく、万が一かかっても回復が早いといわれています。

母乳がもたらす赤ちゃんの体に良い影響は、以下の通りたくさんあります。

  • 母乳からママの免疫をもらうことになり、ママと同じ環境にいてもアレルギー反応を起しにくくなる
  • 母乳には赤ちゃんが必要とする栄養がバランス良く含まれている
  • 母乳は消化吸収が早く、栄養素を効率的に利用できる
  • 母乳には赤ちゃんを病気から守る「免疫物質」が含まれている

母乳のメリット②赤ちゃんの全身運動になる

母乳のメリット②赤ちゃんの全身運動になる
哺乳瓶はママが逆さに持つだけで中身が出る仕組みになっています。では、母乳を飲むときの赤ちゃんの様子はどうでしょうか?

赤ちゃんはママの胸にしっかりとしがみつき、頬とあごの筋肉を動かし唇と舌を上手に使って母乳を吸います。小さな赤ちゃんにとってこの動きは全身運動です。

また、母乳を飲むためには粘り強さや集中力も必要です。この時、赤ちゃんは生きることの大変さを学習しているのかもしれません。

母乳のメリット③赤ちゃんの心が安定しやすくなる

赤ちゃんは、スキンシップが少ないと強いストレスを感じるといわれています。10ヶ月間、快適なママのお腹の中にいた赤ちゃんは、何もできない外の世界に不安を感じているのです。

そんな不安を和らげるのがスキンシップです。母乳育児にすると、自然とスキンシップの時間が増えます。

赤ちゃんは、聞き慣れたママの心音を聞きながら温かい母乳が飲めるので、安心感を得られます。そのため、赤ちゃんとママとの信頼関係も強くなり、心理面でも安定しやすくなるのです。

母乳のメリット④ママの産後の体を回復させる

母乳のメリット④ママの産後の体を回復させる
産後すぐに授乳をはじめると、子宮の収縮が促されます。すると、子宮が妊娠前の状態に戻りやすくなり、ママの回復が早まるのです。

その他にも、母乳育児のママは糖尿病の発症率が低いという報告があります。仮に妊娠中に発症した糖尿病ほどではない軽い糖代謝異常だったとしても、糖尿病へ移行するリスクが下がる可能性があるのです。

母乳育児はママのダイエットにもなるって本当?
母乳はママの血液からできており、妊娠中に蓄えてきた栄養が母乳に変わるため、1日350キロカロリー消費するとされています。

母乳のメリット⑤ママの婦人科系疾患のリスクを低下させる

母乳のメリット⑤ママの婦人科系疾患のリスクを低下させる
テレビや雑誌で「乳がん」が増えているというニュースを聞いたことはありませんか?

これは、授乳経験の有無が関連していると考えられていて、下記のようなデータがあります。

  • 授乳経験のある人より授乳経験のない人のほうが、乳がん発症リスクが高い
  • 授乳期間が長いほど、乳がん発症リスクが低い

その他にも、授乳期間は月経が止まり子宮を休ませることができるため、子宮ガンなどの婦人科系疾患のリスクを低下させるといわれています。

母乳のメリット⑥緊急時に対応できる

育児用ミルクより母乳の方が、外出先に哺乳瓶やお湯などを持ち運ぶ必要がないので荷物が少なくてラクですし、万が一、災害にあったときでもすぐに母乳をあげられるうえ衛生的で安心です。

また、育児用ミルクの場合、ゴム乳首など備品を買い続けなければいけませんが、母乳はその必要がなく経済的です。

母乳育児のデメリット

母乳育児のデメリット
母乳育児をしたくても、なかなか状況が許さないママも多いでしょう。

出産後、すぐに仕事復帰したいママもいれば、体型を崩したくないママもいます。そのため、母乳育児がママにとって負担になる場合もあるのです。

母乳育児のデメリットについては、下記の内容が考えられます。

  • 妊娠中に発達した乳腺が卒乳後は萎縮して、胸が小さくなったように感じる
  • 授乳が頻繁で睡眠時間の確保が難しい
  • 母乳の質や量はママの食事が影響するため、食事に気をつかう
  • 薬を服用するときは医師への相談が必要
  • 母乳を飲んでいる量がわからず不安になる
  • 哺乳瓶に慣れていない赤ちゃんがいるため、赤ちゃんを長時間預けられない
  • 乳房や乳頭トラブルが起こりやすい

不満は胸の形だけではない!こじらせやすい子育ての現状

「赤ちゃんに母乳をあげて育てる=素晴らしいこと」だと誰もが理解しています。では、実際の子育てはどうでしょうか?

「育児ノイローゼ」や「産後うつ」などが増加しており、悩みを抱えているママがいます。そもそも産後は、ホルモンバランスが急激に変化してママ自身の心身が不安定です。

ママの不満は、胸の形だけなのでしょうか?

理想の女性像

理想の女性像
「産後でも体型が変わらないモデル」
「家事と育児を両立するママタレント」

など、雑誌やテレビで見る女性は、いつもキラキラと輝いています。もしかすると、そういった理想の女性像や母親像に振り回されているのかもしれません。

事実、子どもが0~2歳の夫婦は離婚率が高いという報告があります。

赤ちゃんが生まれて幸せを築いたと思っても、夫婦関係が悪化してしまうケースもあるのです。ただ、理想ばかりを追いかけていても、満足はできません。

まずは、母乳育児の正しい知識を持つこと、そして赤ちゃんの命を守ることです。今すぐ解決策が見つからなくても、そんな自分を受け入れてさえいれば、何かしら前向きな可能性が広がるはずです。

なぜかイライラが止まらない子育て

なぜかイライラが止まらない子育て
産後、なんとなくイライラするのは「オキシトシン」の影響だといわれています。

出産時、脳からオキシトシンというホルモンが分泌されると、血液と一緒に全身へ運ばれていきます。そのオキシトシンには、筋肉を収縮させる作用があり、陣痛を起こしたり母乳を出したりする働きがあります。

このように、赤ちゃんとママの絆を深める作用があるオキシトシンは、別名「愛情ホルモン」とも呼ばれています。

しかし、最近の研究でその名とは正反対の作用があることがわかってきました。それは「不快なものに対して攻撃性が高まる作用」です。

母乳育児のママはオキシトシンの量が多いため、いつも以上に感情が激しく動くというわけです。夫にイライラしたり、体型が戻らずクヨクヨしたりするのは、オキシトシンのせいかもしれません。

加齢による体型変化

加齢による体型変化
女性は、出産経験にかかわらず25歳くらいから体型崩れがはじまるといわれています。ただし、胸の形崩れは、その構造にも問題があるようです。

胸には筋肉がありません。胸にあるのは「脂肪」と「母乳をつくる乳腺」と「それを支えるクーパー靱帯」だけです。

このクーパー靱帯は、伸びたり切れたりしたら元には戻らず、日常生活の揺れが原因でダメージを受けてしまいます。そして胸が垂れてしまうのです。

加齢による女性の胸の変化は、以下のような流れとされています。

20歳後半は、丸みのある美しい胸→30歳後半は、胸のボリュームが落ちる→40歳から50歳は、乳頭が下向きに落ちる→60歳以降は、胸が外に流れる、胸全体が下がる

女性の胸は、20歳後半が最も美しく、それ以降は徐々に衰えてくるということです。

100パーセント理想通りではなくても

「胸の形が悪くなった」
「体型が元に戻らない」
「産後、体重が増えてしまった」

そのような場合でも、神経質にならないようにしてください。そもそも若い頃は、胸の位置が高く胸とウエストの間が長いため、体全体が細く見えます。

ところが、授乳や加齢から胸の位置が下がると、胸とウエストの間が短くなり、ずん胴な体型、いわゆる「おばさん体型」に見えてしまうのです。

ただ、仕事や家事に忙しい女性は、キレイな胸やメリハリのある体型を目指して頑張り続けるほど時間がないでしょう。

そこで、下着や姿勢、モチベーションなど、今の自分をキレイに見せるテクニックをご紹介します。見せ方を変えるだけなら、誰でも簡単にできるはずですよ。

母乳にこだわらず育児用ミルクを賢く使う

母乳にこだわらず育児用ミルクを賢く使う
母乳育児に疲れたときは、お休みして育児用ミルクを上手に使いましょう。

どうしても母乳にしたい場合は?
事前に搾乳して冷凍した母乳を使うこともできます。

ただ、母乳でも育児用ミルクでも子育てはずっと続きます。無理をせず、今できることに力を注いでください。ママの心と体が元気でないと、キレイな胸をつくることはできません。

冷凍した母乳の使い方とは?
搾乳して母乳を冷凍し、解凍して赤ちゃんにあたえます。なお、一度解凍したらその後は冷凍しないで残りは捨てましょう。母乳は腐敗しやすいため、冷凍した母乳を持ち運ぶときは、保冷剤を使うなど温度管理を徹底してください。
下着を使って!見せ方を変える

下着を使って!見せ方を変える
たとえば、胸が小さいことを気にしている女性がいます。

「胸を隠すために大きめのカジュアルシャツを着る」
「胸は少し強調されるけれどオシャレなYシャツを着る」

どちらが美しく映るでしょうか?

自分の着る洋服や下着、メイクや姿勢次第で、相手の印象も自分の気持ちも変わるはずです。

そして、授乳中は揺れによって胸が垂れやすくなるため「ノーブラ」はNGです。授乳中は、赤ちゃんがよく飲む側の胸ばかりに負担がかかり左右差が出やすいものです。

  • ブラジャーに胸パットを入れてボリュームを調整する
  • 小さい方の胸のストラップを少し縮める

このように、ブラジャーの使い方を工夫してみましょう!

お腹のお肉が気になるようなら、ボディニッパーやガードルを使用するのもおすすめです!

直立姿勢で魅力アップ

直立姿勢で魅力アップ
母乳育児は、抱っこの姿勢が続くため背中が丸くなってしまいがちです。これでは、肺に入る酸素や血液が減り、呼吸が浅くなります。当然、胸にも健康にも悪影響です。

そこで、お腹の中心を縦長に伸ばすイメージで直立姿勢をつくります。すると、くびれができて胸の位置が上がり魅力度がアップします。

直立姿勢がわからない場合は「お風呂用の椅子」に座ってみましょう。このとき、お尻と背中が直角になるように座れれば直立姿勢ができています!

骨盤が前に出たり後ろに下がったりするようなら、それは悪い姿勢です。お腹が脱力した状態になり、だらしない印象になります。骨盤の位置を意識してみましょう。

まとめ

1.母乳育児によって胸の形が崩れたり小さくなったりするケースがある
2.母乳育児は赤ちゃんへのメリットが多く、ダイエットや乳がん予防などママにも嬉しい効果が期待できる
3.ママの睡眠不足や食事への配慮など、母乳育児にはデメリットもある
4.ブラジャーを見直したりメイクに時間をかけたりすると、自分の気持ちも相手の印象も変わる
5.直立姿勢を意識すると胸の位置が上がりウエストやお腹がほっそりして、スタイルがキレイに見える

母乳育児にはメリットもデメリットもありますが、特に胸の形崩れは気になります。

それでも、見た目だけなら、簡単に変えられるものです。下着や姿勢を見直して、胸をキレイに見せるテクニックを磨きましょう!

 

この記事の執筆者

佐藤 由加里
佐藤 由加里
バストアップ専門エステサロン「p-Grandi」チーフエステティシャン。マッサージ、医療脱毛・医療痩身・フェイシャル、総合痩身エステの施術などを習得したバストアップ専門家。プロフィール