ハリのある形の良いバストの作り方とは?
バストの悩みQ&A

ハリのある形の良いバストの作り方とは?

美しいバストについて知ることから始めましょう

大きなバストに憧れる気持ちは誰しもあるかもしれませんが、実は「大きいバスト=良いバスト」ではありません。どちらかというと、大きさよりも「ハリのある形の良いバスト」の方が美しく見えることをご存知ですか?

今回は、ハリのある美しいバストとはどういうものなのか、またハリのある形の良いバストを作るにはどうしたら良いのかを具体的に紹介していきます。

まずはバストの構造を知ろう

まずはバストの構造を知ろう
女性のバストは、

  • 乳腺
  • 脂肪
  • クーパー靱帯
  • 大胸筋

によって作られています。

乳腺とは母乳を作るために器官で、胸全体に枝状に張り巡らされているものです。そして、その乳腺の周りを脂肪が守るように存在していることで、バストの膨らみが作られます。

乳腺が発達すると周囲の脂肪が増える仕組みになっているため、バストの大きさは乳腺と脂肪の量によって変化するということです。ただ、脂肪や乳腺だけでは、支える力がないため胸が横や下へ流れてしまい丸い形を作ることができません。

そのため、実際に胸の形や位置を決めているのは、大胸筋やクーパー靱帯といわれる部分になります。

大胸筋とは?

バストの上部全体を覆っており、バストを上に引き上げるための土台として使われている筋肉です。胸の位置を決める上でとても重要な筋肉なのですが、実は普段の生活で大胸筋を使うことがありません。
そのため、意識的に鍛えないと筋力が低下して、胸を支える力が失われていってしまうことになります。大胸筋が弱ってしまうと、バストトップの膨らみが少なくなったり、引き上げる力が弱まったりするので、バストトップが低い位置になってしまいがちです。

クーパー靱帯とは?

コラーゲンを主成分とした結合組織で、バストの中に網の目のように張り巡らされています。この網状の靱帯が乳房と皮膚、乳房と大胸筋をつないで吊り下げてくれています。
つまり、乳腺や脂肪を支えて丸みを帯びた、美しいバストの形を作っているのはクーパー靱帯ということです。

このクーパー靱帯は乳房の成長に合わせて伸びることがあります。しかし、残念なことに一度伸びたクーパー靱帯は縮むことがありません。

また、衝撃にも弱いため、過度の運動などで激しくバストが揺さぶられることがあると、クーパー靱帯が伸び切ってしまったり切れてしまったりすることがあります。一度切れたり伸びたりしたクーパー靱帯は胸を支える力を失い、バストの形や位置をキープすることが難しくなってしまいます。

ハリのある形の良いバストとは何で決まるの?


ハリのある形の良いバストが美しいといわれていますが、では、バストのハリや形とは何で決まるのでしょうか? バストの成長する仕組みを知った上で、ハリのある形の良いバストを作っていきましょう。

胸が成長する仕組み

胸の成長には、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が深く関係しています。エストロゲンは女性らしい体作りを助けてくれるホルモンで、美のホルモンともいわれています。

月経周期に合わせてエストロゲンの増減を繰り返しながら、丸みを帯びた女性らしい体を作っていくのです。女性の胸が成長を始めるタイミングは個人差があります。

しかし、ほとんどの方はエストロゲンの分泌量が増える初経の頃から、乳腺が発達して徐々に胸が膨らみはじめます。そして、思春期になると女性ホルモンの分泌量がかなり増えてくるため、バストが丸みを帯びて立体的になっていくのです。

その後、女性ホルモンの分泌がピークを迎える20歳前後に、体全体が女性らしく丸みを帯びてくるようになり、バストも一気に大きく育ちます。この時期に女性ホルモンが多く分泌されると、乳腺が発達してバストが大きくなることが多いようです。

胸を美しく育てるためには、エストロゲンの分泌量が増えるタイミングで、しっかりと必要な栄養を摂取することが大切になってきます。また、この時期の過度な運動やダイエット、睡眠不足などは、自律神経のバランスが崩れてエストロゲンの分泌量が低下してしまうので良くありません。

ちなみに、女性の胸はいつまでも成長を続けるというわけではありません。女性ホルモンの分泌量は20~25歳頃にピークを迎え、30歳半ば頃までは活発に分泌が続きます。

しかし、40歳を過ぎる頃になると卵巣機能の低下により分泌量が減少していき、閉経に伴い卵巣からはエストロゲンがほとんど分泌されなくなってしまうのです。そのため、女性ホルモン分泌のピークを過ぎた25歳頃には、バストの成長も止まることが多いようです。

形の良いバストってどういうもの?


形に関しては好みがあるため「形の良い」とは人によって異なるようですが、概ね「お椀型」や「半球型」が理想的といわれることが多いようです。お椀型や半球型は、ボールを半分に切って乗せたような胸の形をしています。

きれいな丸みを帯びていて、デコルテ部分もふっくらとしているため全体的にボリュームがあるのが特徴。ただ、胸の形だけでなく全体的なバランスなども大切になってくるため、一般的には下記のような基準で「形が良い」といわれています。

  1. 丸みを帯びてふっくらとしている
  2. ハリがあり、バストが上向きになっている
  3. 左右の大きさのバランスが取れている
  4. 胸の位置が(下記にいう)正しい位置にある

このうち4番に関しては、バストが一番きれいに見える「ゴールデントライアングル」といわれている位置があります。鎖骨の中心と、バストトップを結ぶ三角形がより正三角形に近いほど美しいとされているのです。
大胸筋やクーパー靱帯が衰えると、バストトップの位置が下垂しやすいので、このゴールデントライアングルを維持することが難しくなります。

柔らかさとハリ

バストの柔らかさとハリは、乳腺と脂肪の量のバランスによって変化します。脂肪は柔らかく形が変わりやすいのですが、乳腺は脂肪に比べるとしっかりしています。

そのため、乳腺と脂肪の量のバランスによって胸のハリや形が変わってくるのです。例えば脂肪が多い胸は触った時にふわふわと柔らかいのですが、形がキープしにくく崩れやすい。

そして、乳腺が多い胸はハリがあり固いため、形が変わりにくいものです。ちなみに、日本人は乳腺が少なめで、脂肪が多い胸の人が多いようです。

それに対し、欧米人は乳腺量が多く脂肪が少ない人が多い傾向にあります。ただし、これは人種というよりも遺伝的な要素や生活様式、女性ホルモンの分泌量などで異なってくるようです。

近年の日本人はどちらかというと西洋スタイルの食生活が一般的になってきているため、乳腺の発達が良く、ハリのある胸の方が増えてきています。

胸が垂れる原因とは?

胸が垂れる原因とは?
胸の位置はゴールデントライアングルをキープできれば理想的ですが、なかなかそうもいかないのが現実です。では、なぜ胸は垂れ下がってきてしまうのでしょうか。

老化との関係

バストの下垂は、加齢と密接な関係にあります。ホルモン量の変化や老化は、避けて通ることはできませんが、アンチエイジングを心がけていくことで下垂しないよう努力することは可能です。

原因を知った上で、できる対策を考えていくようにしましょう。

1.エストロゲンの減少

エストロゲンの分泌量が減少すると、乳腺の萎縮が始まります。その結果、柔らかい脂肪の比率が高まってしまうのです。

脂肪の割合が多くなると支える力が弱くなり、重力に逆らえずに下垂しやすくなります。ホルモンの分泌量低下は避けることが難しいですが、食生活や生活スタイルを見直すことで少しでも分泌量が維持できるように気をつけましょう。

2.クーパー靱帯の伸び

体が老化するように、クーパー靱帯も加齢で緩みやすくなりがちです。緩んだクーパー靱帯は、バストを引き上げることができなくなり下垂しやすくなります。

クーパー靱帯のサポートをしてあげる意味でも、日頃からホールド力の高いブラジャーを使うように気をつけましょう。

3.皮膚の伸縮性低下

皮膚は老化が原因で伸縮性が低下してしまいます。肌のハリがない状態だと、皮膚がバストの形をキープする力が弱まるため下垂しやすいといえます。

保湿などに気をつけ、バスト周辺の肌の弾力性を維持するように心がけましょう。

出産後・授乳後にできること

妊娠すると授乳期に向けて、胸の形やサイズが大きく変化します。妊娠中だけでバストサイズが2カップ上がる人もいるほどです。

しかも、産後は母乳が蓄えられるようになるため更に重量がアップして下垂しやすい状況になります。また、授乳前と授乳後ではバストのハリ具合に変化があるため、皮膚の伸縮も激しく心配になるものです。

この時期はサイズ変化をこまめにチェックし、きちんとバストを支えるようなブラジャーを選びましょう。一日に何度も授乳するからといって重い胸をノーブラで過ごしていると、あっという間に下垂してしまうかもしれません。

ほど良いホールド力と授乳機能がついた産後用のブラジャーもあるので、気になる方はぜひお店で探してみてください。また、授乳の際に赤ちゃんの位置が低いと、おっぱいが引っ張られた状態になります。

授乳するたびに引っ張られていると、クーパー靱帯が伸びてしまう原因になりかねません。そのため、授乳の際はできるだけ胸の近くに抱きかかえるようにしましょう。

高さの調節をするために、赤ちゃんの下にクッションなどを入れて授乳するのもおすすめです。

垂れた胸を元に戻す方法はあるの?

垂れた胸を元に戻す方法はあるの?
垂れる原因や予防策はわかっても、もう垂れてしまった場合には役に立ちません。垂れた胸は戻るのか、またどうしたら良いのかなど、どちらかというとその後のケアを知りたいと思うのではないかと思います。

しかし、残念ながら一度伸びてしまったクーパー靱帯が戻ることはなく、下垂してしまった胸を元通りに引き上げることはできません。ただし、下垂していても正しくブラジャーをつければ、美しい形・正しい位置にすることは可能です。

また、大胸筋を鍛えたり、リンパの流れを良くしたりすることで、これ以上の下垂を防ぎ、ハリを取り戻すことはできます。垂れてしまった胸も、しっかりとケアをして、できる限り理想に近いバストの形を取り戻していきましょう。

リラックス時もブラジャーが大切です

家にいる時はノーブラで過ごすという方も多いのではないでしょうか。しかし、年齢を重ねるごとに柔らかくなってくるバストに対し、長時間支えなしでいることは危険です。

外出時はホールド力の高いタイプを、在宅の時はノンワイヤータイプでゆったりと、などの使い分けをして常に胸を支えるように気をつけてください。また、就寝時も危険です。

寝ている時に柔らかい脂肪が脇や背中に流れていく可能性があります。就寝用のナイトブラは横への流れもしっかりと支えてくれる構造になっているのでおすすめです。

リンパマッサージの効果


バスト周辺にはリンパが集中しています。リンパマッサージを行うことで流れを良くしてあげると、血流が良くなり、バストのハリがアップしていきます。

リンパマッサージは体が温まっている時に行うと効果が高まるので、入浴後から就寝前の時間帯がおすすめです。また、マッサージをする際に肌にハリや潤いを与えるような成分が入った美容液やクリーム、オイルなどを使うことも良いでしょう。

特に脇の下にはリンパが多いので、親指を除く4本の指を当てて優しく流すように揉みほぐしてあげてください。

大胸筋を鍛えてバストアップ

バストを支えている大胸筋を鍛えると、クーパー靱帯への負担が軽減されることと、バストの位置が引き上げられるという効果が期待できます。両手のひらを胸の前で合わせて行う合掌のエクササイズがお手軽で効果的です。

エクササイズを行う時は、肘が地面と平行になるようし、バストが持ち上げられている様子をイメージしながら両手に力を入れて内側に押します。その状態を15秒ほどキープしたら力を抜くという動きを2セット×5回ほど繰り返しましょう。

毎日継続することで、大胸筋が鍛えられてバストアップの効果が出てくるかもしれません。

まとめ

ハリのある形の良いバストを作るためには、日々の心がけが大切になってきます。「胸は柔らかいから下垂しやすいもの」という前提で、しっかりとブラジャーなどで支える、大胸筋を鍛える、女性ホルモンの分泌を促すなどのケアをしていくことをおすすめします。

今回お伝えした注意点などは、日常的に取り組むことができるのに、効果が実感できるものが多いです。ぜひ胸の仕組みを理解して、ハリのある形の良いバスト作りに挑戦してみてください。

 
 

この記事の執筆者

佐藤 由加里
佐藤 由加里
バストアップ専門エステサロン「p-Grandi」チーフエステティシャン。マッサージ、医療脱毛・医療痩身・フェイシャル、総合痩身エステの施術などを習得したバストアップ専門家。プロフィール