胸の垂れは予防できる?予防方法と垂れた胸の改善方法とは?
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胸の垂れは予防できる?予防方法と垂れた胸の改善方法とは?

(2020.08.13 追記)

女性が憧れる胸といえば、バストトップが上向きでハリのある胸です。

ただ、実際には下記のように様々な原因で胸はだんだん垂れ下がってきてしまうのです。

  • ホルモンバランスの変化
  • 生活習慣の乱れ
  • 合わないブラの着用 など

胸が垂れる原因を知ることができれば、胸の垂れを防止することができるといえます。胸の垂れを諦める必要はありません。

今回は、胸が垂れる様々な原因の紹介とその予防方法、垂れてしまった胸の改善方法をご紹介します。

胸が垂れる原因

胸が垂れる原因
胸が垂れる原因の一番は、加齢による女性ホルモンの変化です。

胸を構成している組織は「乳腺」「脂肪」「クーパー靭帯」の3つですが、女性ホルモンの減少の影響を受けるのが乳腺です。

乳腺は「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌によって発達しますが、このエストロゲンの分泌量は加齢とともに少しずつ減少していき、乳腺は縮んでいってしまいます。

加齢を止めることはできませんが、加齢以外の原因を知ることで、胸の垂れを防止することはできます。そこで、加齢による女性ホルモンの減少についてとその他の原因について6つ紹介していきます。

1.クーパー靭帯の損傷

1.クーパー靭帯の損傷
胸が垂れる原因の1つが「クーパー靭帯の損傷」です。

胸は「乳腺」「脂肪」「クーパー靭帯」の3つの組織で形成されているとお話ししましたが、クーパー靭帯は胸の形を維持する重要な役割があるのです。

女性は思春期になると女性ホルモンの分泌が盛んになり乳腺が発達します。乳腺は赤ちゃんへの授乳に必要な母乳を作るという大切な役割がありますので、そのために発達するわけです。その発達した乳腺組織を保護するために脂肪組織も増えていき、ふっくらとした胸が形成されるのです。

しかし、脂肪は重量があるため、そのままでは胸は重力に負けて垂れ下がってしまいます。そこで、胸に張り巡らされたクーパー靭帯が乳腺と脂肪を支える役割をしているのです。

ところが、このクーパー靭帯はコラーゲンを主成分とする結合組織なのですが、一度損傷すると元には戻りません。クーパー靭帯が損傷し、胸の支えが弱くなると胸は垂れ下がったり、きれいな形を維持できなくなったり、ハリを失ったりと、どんどん形が崩れていってしまいます。

クーパー靭帯に損傷を与える原因とは?
脂肪の重さによる重力、激しい運動による衝撃、育児中の授乳、合わない下着による締め付け、大胸筋の衰え、加齢などがあります。

どの原因も生活習慣の見直しや適切なケアを行えば最小限に抑えることが可能です。ハリのある上向きの胸を維持するために、このクーパー靭帯の損傷を抑え保護してあげる必要があるのです。

2.姿勢が悪い

2.姿勢が悪い
胸が垂れる原因の2つめに「姿勢が悪い」ことがあげられます。

猫背といわれる肩が内側に入り背中が猫のような姿勢を続けると、胸に繋がっている血管が圧迫され血行不良を起こしたり、筋肉が緩み筋力が失われたりしてしまいます。

血液には、体にのすみずみに酸素や栄養素を届ける役割がありますので、姿勢が悪く血行不良の状態が続くと胸にも酸素や栄養素が届かなくなってしまいます。

筋肉が緩んで機能しなくなってくるということは、胸全体を支える大胸筋が弱ってしまうことになります。大胸筋はクーパー靭帯の損傷を防いだり弱ってしまったクーパー靭帯の代わりになったりと重要な筋肉です。

姿勢を改善することで、血行がよくなり大胸筋の衰えを防げば、胸が垂れるのも防止できます。

3.ブラが合わない

3.ブラが合わない
胸が垂れる原因の3つめが「サイズの合わないブラを着用する」ことです。

実際のサイズよりも「小さいブラを着用する場合」と「大きいブラを着用する場合」では、胸が垂れる原因が異なります。

まず、胸が大きくなっているのに同じブラを着用しているような場合ですが、小さくなってしまったブラが、胸を圧迫して胸の組織にダメージを与えたり潰してしまったり、血行不良を起こしたりします。

反対に大きいサイズのブラを着用していると、胸とブラの間にすき間ができてしまい、ブラの中で胸が動くことになってしまいます。胸がブラでしっかりとホールドできない状態は、クーパー靭帯に損傷を与えることになってしまうのです。

体形の変化に合わせてブラを選ぶ必要がありますので、サイズはこまめに測るようにしましょう。

4.生活習慣の乱れ

4.生活習慣の乱れ
「生活習慣の乱れ」は、体調不良を引き起こしたり、成長期の体の成長を妨げたりと様々な影響が出ますが、胸の成長や垂れる原因にも大きく影響します。

「質のよい睡眠」は、成長ホルモンや女性ホルモンの分泌を盛んにしてくれる働きがありますので、胸の垂れを防止するのに睡眠不足は大敵だといえるのです。

「偏った食生活」は、胸の成長やハリに必要な栄養素を摂り入れることができなくなってしまうだけでなく、ホルモンバランスの乱れも引き起こします。

「加齢によるホルモン分泌の減少」は避けることが難しいのですが、まだまだ若いのに胸の垂れが気になるようであれば、生活習慣の乱れによるホルモン分泌の減少が関係している可能性が考えられます。

5.出産から授乳時のバストサイズの変化

5.出産から授乳時のバストサイズの変化
女性は「妊娠」「出産」「授乳」を経験する間に、胸のサイズは大きく変化します。

妊娠から出産までの間

授乳のために乳腺が発達し胸がどんどん大きくなります。

出産後の授乳期

乳腺の発達だけでなく母乳が蓄えられることでも胸のサイズはさらに大きくなります。

授乳を終えると…

胸はしぼみ始め、みるみる小さくなっていきます。

この短期間での急激なサイズの変化は、皮膚やクーパー靭帯に損傷を与え胸の垂れの原因になるのです。急に大きくなる胸をクーパー靭帯が支えきれず伸びてしまったり切れてしまったりするだけでなく、サイズ変化に伴い引き延ばされた皮膚もすぐには元に戻りません。

出産から授乳を経験した女性の胸が垂れたり小さくなってしまったりするのは、この急激なサイズ変化が原因なのです。

6.加齢による女性ホルモンの減少

6.加齢による女性ホルモンの減少
女性の体は、乳腺の発達に影響する「エストロゲン」と妊娠に関係する「プロゲステロン」という2つの女性ホルモンが交互に増減することで、一定の月経リズムを作っています。

ところが、加齢によって女性ホルモンの分泌が減少したり、ホルモンバランスが崩れたりしてしまうと、胸はやわらかさやハリを失ってしまいます。

胸を支えているのは主に「クーパー靭帯」や「大胸筋」ですが、胸全体を覆っている皮膚にも胸を支える働きがありますから、胸の皮膚のハリが失われると胸を支える力も弱くなり、垂れの原因になるのです。

特に更年期の女性は閉経による女性ホルモンの減少もハリを失う一因になります。女性ホルモンが減少しだす年齢になったら、胸にもしっかりと保湿ケアを行うことが必要です。

胸の垂れ予防方法

胸が垂れる原因を紹介させていただきましたが、それぞれの原因にポイントをおいて適した予防を行えば、垂れるのを防いだり、垂れを最小限に抑えたりすることができます。垂れてしまった胸をバストアップするのは大変ですので、垂れないように予防することがおすすめです。

予防方法の基本は「クーパー靭帯の保護」です。クーパー靭帯が損傷してしまうと垂れを改善するのはとても困難です。クーパー靭帯の保護にポイントをおいて、予防対策を行ってみてください。

大胸筋トレーニング

きれいな形の胸を維持し、支えているのは「クーパー靭帯」ですが、このクーパー靭帯は伸びたり切れたりして一度損傷してしまうと元には戻りません。そこで、クーパー靭帯を含めた胸の土台となっている「大胸筋」は筋肉ですから鍛えれば強くなります。

頑張って胸の垂れを防止しても土台の大胸筋を鍛えてあげないと、土台から崩れ残念な胸になってしまいます。大胸筋を鍛え、しっかりと胸を支えてあげれば、クーパー靭帯の損傷を防ぐこともできます。

大胸筋のトレーニングはいろいろありますが、簡単にできて効果の高いものを2つご紹介します。

合掌のポーズ

合掌のポーズ
大胸筋のトレーニングといえばコレ!といわれるぐらい認知度の高いトレーニングです。
背筋を伸ばし、両手を胸の前で合わせ手のひらを押し合うように力を入れます。そして力を入れた状態で10秒キープしましょう。

壁立て伏せ

壁立て伏せ
腕立て伏せが苦手な人でも簡単に続けやすいのが壁立て伏せです。腕立て伏せを壁に向かって行います。

どちらのトレーニングも呼吸を止めないように注意し、無理のない回数を続けましょう。

ナイトブラ

クーパー靭帯の損傷が垂れの原因になることをお話ししましたが、クーパー靭帯が損傷するタイミングの1つに就寝中があります。「ナイトブラ」を着用せずに就寝すると胸は重力によっていろいろな方向に流れていってしまい、クーパー靭帯に負荷がかかってしまうのです。

また、寝返りをしたり、うつぶせになったりすると胸が圧迫されて潰れてしまいます。その時にクーパー靭帯も損傷してしまうのです。

こうした状態が続くと、胸が垂れるだけでなく形まで崩れてしまうのです。

「寝る時にブラをするのは窮屈なのでは?」という声もよく聞きますが、ナイトブラは昼用のブラと違って締め付けが少なくリラックスできる素材で作られているので、就寝を妨げることはありません。

そして、ナイトブラはホールド力が高いのが特徴です。どんな態勢で寝てもしっかりと胸をホールドし、脂肪が流れたり形が崩れたりせず、クーパー靭帯への負担を防いでくれるのです。

寝ている間にもしっかりとクーパー靭帯を保護してあげましょう。

生活習慣

生活習慣
生活習慣とは、無意識で行っている生活上の習慣でくせと表現する場合もあり、美しい胸を維持するためにはよくない習慣もあります。そこで、胸によくない生活習慣にポイントをおき改善することによって、胸の垂れを防止しましょう。

姿勢の改善

日常生活の中では、前かがみの猫背という姿勢で行うことが多数あります。でも猫背の姿勢が習慣になってしまうと血流が悪くなったり大胸筋が緩んだりして胸の垂れの原因になってしまいます。
そこで、意識して胸を張るように心がけてみましょう。姿勢をよくするだけで、血行不良を改善し栄養素を胸に届けることができるようになります。
また、大胸筋のトレーニングを併せて行うと胸を支える筋力も戻ってきます。

女性ホルモンの分泌を促す

胸の垂れ防止に欠かせないのが成長ホルモンや女性ホルモンです。こうしたホルモンは就寝中に盛んに分泌されますがゴールデンタイムと呼ばれる夜10時から翌2時までの間に熟睡する必要があります。できる限りこのゴールデンタイムに就寝できるように生活リズムを整えてみましょう。

バランスのよい食事

胸の発達に栄養素は欠かせませんが、バストアップにいいからといって食事内容が偏ってしまっては意味がありません。女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンが含まれた大豆製品の摂取はおすすめですが、栄養素のバランスを考えた食事を心がけましょう。

リンパマッサージ

リンパマッサージ
一般的にバストアップに用いられるリンパマッサージですが、胸の垂れを防止することもできます。

血流がよくなるリンパマッサージのやり方

  1. 手のひらで首を包むようにして耳の下から首、肩まで掴むような感じでやさしくもみほぐします
  2. 人差し指、中指、薬指を揃えて、鎖骨の下部を中心から肩の方向に向かってゆっくり指圧します
  3. 人差し指と中指で鎖骨を挟み、中心から外側にリンパを流すように滑らせてみましょう

血流は胸に栄養素を運ぶ重要な役割があります。リンパマッサージを行うことで、老廃物や疲労物質を流し血流がよくなる効果が期待できます。

効果を実感しにくいリンパマッサージですが、血流をよくし栄養素をきちんと届けるためにも、他の対策と併用して行ってみましょう。

「食生活の改善」や「睡眠の質の向上」と併せて行うことで、効果を実感できるようになります。

マッサージは皮膚に負担がかかりますので、摩擦を軽減するためにも「マッサージクリーム」や「オイル」を使用することがおすすめです。

卒乳後の垂れを防止するには?

卒乳後の垂れを防止するには?
「妊娠」「出産」「授乳」の期間に胸のサイズは大きく変化します。卒乳後に胸が垂れないように防止するには、妊娠中からのバストケアを欠かさずに行いましょう。

まず、共通していえることは、胸のサイズをこまめに測りぴったりサイズのブラを着用することです。ぴったりサイズのブラは、クーパー靭帯の損傷を防ぐことができるだけでなく、胸の脂肪が脇腹や腹部に流れるのを防ぎ形が崩れることを防止してくれます。

そして、出産後の授乳期に気をつけることは、母乳を胸に溜めないようにすることです。授乳期は、赤ちゃんが必要な分だけ母乳が作られ胸に蓄えられます。授乳時間の前になると蓄えられた母乳で胸が張り、痛い思いをすることもあります。

この胸のハリは胸を一層大きくさせてしまうので、その分皮膚も伸びます。伸びてしまった皮膚は、卒乳後、簡単には元に戻らず、胸のハリが失われ胸の垂れを加速させる原因になるのです。

こまめに授乳を行い、胸が張らないように気をつければ、皮膚の伸びを最小限にできます。赤ちゃんの授乳の頻度や飲む量が少なくて胸が張ってしまう時は、適度に搾乳をしてハリを抑えるようにするといいでしょう。

また、胸のサイズ変化が大きい時は、バストクリームやオイルを塗って乾燥を防ぐことも重要です。

垂れた胸は改善できる

垂れた胸は改善できる
頑張って胸の垂れを予防したのにもかかわらず、胸が垂れてしまっても…諦める必要はありません!

胸が垂れていく過程は、まずデコルテ部分の脂肪が下に垂れ、形が崩れだし、最期には胸全体の位置が下がり脂肪が外側に流れていきます。胸が垂れてしまった女性がブラの下側にパットを入れて胸を持ち上げようとしますが、それでは胸の垂れは改善されません。

では、どうすれば垂れた胸を元通りにできるのでしょうか?

効果が期待できる方法を3つ紹介します。

1.大胸筋でカバーする

1.大胸筋でカバーする
バストアップといえば大胸筋トレーニングといわれる程、人気のある方法です。伸びたり切れたりしてしまったクーパー靭帯を元に戻すことはできませんが、大胸筋を鍛えて垂れた胸を引き上げることは可能です。

「胸の垂れ予防方法」でお話しした「大胸筋トレーニング」は垂れてしまった胸の改善にも有効です。垂れてしまったからといって諦めず、合掌のポーズと壁立て伏せを行ってみましょう。

予防目的の場合は、クーパー靭帯の保護がメインですが、改善となるともう少し大胸筋に負荷をかけて鍛える必要があります。

合掌のポーズを行う時は、手のひらを合わせる位置を胸よりも上の鎖骨部分に持って行ってみましょう。二の腕も引き締まり、バストラインが整うことも期待できます。

壁立て伏せは、足の位置を壁から少し離して行うと効果的です。慣れてくれば床での腕立て伏せにも挑戦してみてください。

最初のうちは、膝をついて行うだけでも効果が期待できますし大胸筋が鍛えられてくれば普通の腕立て伏せを行うというようにステップアップしてみましょう。

2.バストのスキンケア

2.バストのスキンケア
皮膚のたるみが胸の垂れに影響を及ぼすことは、すでにお話しさせていただきましたが、たるみを引き起こす原因は皮膚の乾燥です。皮膚に保湿ケアが大切だと知っている女性は多いのですが、胸の保湿ケアを行っている方はあまりいらっしゃいません。

胸の皮膚が乾燥し、潤い不足になるとハリがなくなりしぼんだ印象が強くなってしまいますので、保湿ケアをしてあげましょう。特にお風呂上りは乾燥が進みやすいので、保湿クリームやオイル、バストアップクリームを塗り乾燥を防ぐ必要があります。

デコルテ部分にハリが戻ると胸の垂れも改善されます。毎日のスキンケアにバストのスキンケアも加えて、ハリのある胸を取り戻してください。

3.ナイトブラでバストアップ

3.ナイトブラでバストアップ
一番簡単に垂れた胸を改善できる方法がナイトブラの着用です。

「胸の垂れ予防方法」で、ナイトブラの着用は脂肪組織が流れたり、寝返りで胸が潰れたり、クーパー靭帯への損傷を防ぐ効果が期待できることをお話しさせていただきましたが、垂れてしまった胸の改善にも効果が期待できるのです。

胸の成長に影響のある成長ホルモンや女性ホルモンは、就寝中に分泌が盛んになります。せっかく2つのホルモンが盛んに分泌されているのですから就寝中にナイトブラで形を整え育乳してあげましょう。

ナイトブラをしていないとせっかく2つのホルモンでバストアップしても脂肪が脇に流れてしまったり形が崩れてしまったりしてはもったいないですよね。

ナイトブラの着用は、胸の脂肪を正しい位置にホールドし、成長ホルモンと女性ホルモンが育乳をしてくれるという二つの効果が期待できるのです。

まとめ

1.胸が垂れる原因は、クーパー靭帯の損傷、姿勢が悪い、ブラが合わない、生活習慣の乱れ、出産から授乳時のバストサイズの変化、加齢による女性ホルモンの減少と様々
2.胸の垂れは、垂れの原因にポイントをおいて予防しよう
3.胸の垂れを予防するためにはクーパー靭帯を損傷しないように気をつける必要がある
4.胸の垂れ予防は、大胸筋トレーニングやナイトブラの着用、生活習慣の見直しなどが効果的

垂れてしまった胸も適切なケアを行えば、改善することができます。

胸の垂れを防止するには、クーパー靭帯を損傷しないようにすることがポイントです。そのためには、サイズの合ったブラを着用すること、生活習慣を見直すこと、大胸筋を鍛えることが重要です。

 

この記事の執筆者

佐藤 由加里
佐藤 由加里
バストアップ専門エステサロン「p-Grandi」チーフエステティシャン。マッサージ、医療脱毛・医療痩身・フェイシャル、総合痩身エステの施術などを習得したバストアップ専門家。プロフィール